青天を衝けが100倍面白くなる「渋沢栄一記念館」の見学ポイント

2021年大河ドラマ『青天を衝け』では、吉沢亮さん演じる渋沢栄一の人生が描かれています。渋沢栄一といえば、2024年から日本の新1万円札の顔となる人物であり、これまで渋沢栄一にあまり関心を持ってこなかった人たちからも、今注目を集めているのではないでしょうか。

渋沢栄一は、日本資本主義の父とも呼ばれる人で、江戸から昭和時代までを駆け抜けた金融界・経済界の中心人物です。渋沢栄一が手掛けた企業等々は500を超え、その多くが現在も一流企業等として日本経済を回しています。

そんな渋沢栄一は1840年、現在の埼玉県の深谷市血洗島の農家に生まれました。現在も血洗島という地名は残っています。渋沢栄一が幼少期を過ごしたこの血洗島の家の場所から徒歩10分くらいのところに、渋沢栄一記念館は建てられています。建物は2階建て、大きく4つの見どころがあります。


渋沢栄一記念館の見どころ

渋沢栄一のアンドロイド

一つ目の見どころは何と言っても、アンドロイドです。70歳の頃の渋沢栄一が忠実に再現されており、お客さんの前で会話や講義をしてくれます。実在の人物そっくりに作られたアンドロイドは世界に40体ほどしかなく、そのほとんどが大学研究室などに置かれており、渋沢栄一のように一般人に公開されているアンドロイドはとても珍しいそうです。

講義の内容は、渋沢栄一が生前唱えていた『道徳経済合一説』というもの。それまでは、お金儲けをするには道徳に反しなければできず、道徳を重んじるとお金儲けはできないと考えられていたところ、渋沢栄一は、二者は相反するものではなく、道徳を重んじながらもお金儲けはできると説いた説です。
わかりやすく現代語に訳され、8分の講義になっています。その前後には、解説員とちょっとした会話をする時間もあり、30分の講義プログラムとなっています。

このアンドロイド渋沢栄一は、70歳の頃の栄一を再現しており、身長153センチと小柄で、瞬きをしたりうなずいたり口を動かしたり、本当に生身の人間がいるかのような錯覚を覚えます。声も、現存していた本人の肉声から作り出しているそうです。見た目から想像する声より若干高めでした。

講義は完全予約制のため、訪問日が決まり次第早めにウェブサイトから予約しましょう。

多目的室の映像

1階多目的室という名の体育館のような場所では、渋沢栄一の活躍を簡潔に20分にまとめた映像が流れています。とてもわかりやすく、また、資料室の展示ともかなり関連しているので、こちらの映像を見てから資料室を見学すると、より面白く見学できると思います。

資料室

30分程度で回れるこじんまりとした資料室です。一階入り口には渋沢栄一の年表があり、その後幼少期から順を踏んで功績等を紹介しています。

『青天を衝け』でも登場したゆかりの品々も展示されています。この地域の伝統のお祭りで栄一が使用した獅子舞(第2話)、村の藍の品質向上を目指して作った藍玉番付表(第4話)、横浜焼き討ち計画で尾高新五郎が書いた『神託』(第11話)、徳川昭武のパリ万博に随行した一行の写真(第23話)、富岡製糸場でつくられた生糸、渋沢栄一直筆の手紙などを含め、他にもたくさんのものが展示されています。

渋沢栄一は、91歳まで天寿を全うしました。晩年は、節目節目の長寿祝いが、渋沢栄一が生んだ企業等の主催により開催されており、2階にはその時の記録が残されています。

渋沢栄一の巨大像

建物の外にでて裏手に回ると、渋沢栄一の巨大な像が建っています。およそ5メートルの高さがあるそうです。これは以前は深谷駅に建っていましたが、1995年この記念館の開館を機にこちらに移動されたものです。

知らないと見落としかねないので、見たい方は要注意です。

予約は必要?

渋沢栄一記念館に行くにあたり、アンドロイド講義のみ予約が必須です。

アンドロイド講義は、完全予約制です。残念ながら予約できなかった場合でも、11:45-13:00は予約なしで公開されています。この公開時間に合わせていけば、アンドロイドは見ることができますが、講義が行われていません。

ぜひ、訪問日が決まり次第、早めに予約しましょう。

公式サイト上では、資料室も予約できますが、よほど混んでいない限り予約は不要です。夏休み中の3連休でも、予約なしで入れました。

渋沢栄一記念館の基本情報

観光基本情報

営業時間: 資料室 午前9時~午後5時
講義室(アンドロイド) 午前9時30分~午後4時(最終講義は3時30分から)
所在地: 〒366-0002 埼玉県深谷市下手計1204
入館料: 無料
予約: アンドロイドの講義は要予約
公共交通機関: 最寄駅:JR高崎線深谷駅または岡部駅
・バス:渋沢栄一 論語の里 循環バス(大河ドラマ館の開館に合わせて期間限定運行)
公式HP: 渋沢栄一デジタルミュージアム

(2021/7現在)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です