皇居外苑の北の丸公園の隣に、昭和をテーマとした博物館があります。その名も、『昭和館』。
『今の私たちの平和な生活の礎に、この時代を生き抜いた人々の努力があったことを忘れてはならない。』館内で耳にしたこのフレーズが、端的に昭和館のメッセージを伝えていると思います。
お花見の名所『千鳥ヶ淵』も近いので、皇居の周りを散策しながら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
昭和館の概要
昭和の時代、特に戦時中と戦後復興期の国民の生活を中心に紹介している博物館です。6-7階に常設展示があります。5階の映像・音響室では、昭和の貴重なニュース映像などをじっくりとみることができます。
建物の外でも、定期的にテーマが変わる写真展が開かれています。
昭和館の見どころ
常設展
昭和初期から戦後復興期までを紹介していますが、特に戦争に焦点を当てて、庶民の生活の変化がよくわかるような展示になっています。
高度経済成長期とかバブル期の昭和を期待していくと、内容的にも心が沈んでしまうかも。また、歴史や政治の話が好きな人にはちょっと物足りなく感じてしまうかもしれません。
防空壕の狭さ等を体感したり、当時の服を着用してみる体験コーナーがあり、小中学生の子どもと一緒に行くと楽しいと思います。(※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、体験コーナーは中止中。令和4年3月時点)
私が特に興味深かったのは、虎の模様の千人針です。千人針は知っていましたが、虎模様は知りませんでした。「虎は千里走って千里帰る」という言い伝えがあり、虎にあやかって無事に帰還するよう、千人針で虎模様を描いたそうです。そして、寅年生まれの人に針を通してもらうと、縁起がよいとされていたようです。
入口から入って7階が戦前・戦時中、6階が終戦直後になります。その間の階段で、天皇陛下の玉音放送が流れているという、粋な演出になっています。
映像・音響室
パソコンとヘッドフォンが何十台か用意されており、1人1人パソコンが割り当てられ、見たい映像を思う存分閲覧することができます。
収録されている映像が何千とあるので、とても見きれません。ある程度どんなことを知りたいか絞ってみると、貴重な映像を発掘することができます。
写真展
建物から一度外に出て裏に回ると、屋外スペースで数ヵ月ごとにテーマを変えて、昭和の写真展が開かれています。
音楽をテーマにしたり、場所をテーマにしたり、毎回切り口を変えて戦時中・戦後の暮らしを映す写真を紹介しています。
令和4年3月19日から5月8日までは、『うつりゆく昭和の九段下界隈』という写真展が開かれています。
東京大空襲直後やGHQが占領していた頃と、現在の九段下界隈の写真がならべて展示されており、とても興味深いです。
写真展は屋外で誰でも気軽に無料で立ち寄れるので、近くに来たらこの写真展だけでも覗いてみる価値はあると思います。
昭和館の基本情報
開館時間: | 10:00~17:30(入館は17:00まで) |
所要時間: | 30分~1時間程度 |
入館料: | 大人:300円、65歳以上:270円、高校・大学生:150円 |
休館日: | 月曜日(祝日の場合は開館、翌平日に休館)、12月28日-1月4日 |
所在地: | 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-6-1 |
公共交通機関: | 東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線 九段下駅 徒歩1分、JR総武線 飯田橋駅 徒歩10分 |
公式HP: | 昭和館 |
(2022/3現在)