歴史の宝庫!「令和」の書も展示されている国立公文書館

公文書館

歴史的に貴重な文書の宝庫、国立公文書館。名前だけ聞くと近づきがたい響きですが、歴史好きにとってこんなに面白い博物館はありません。

国民みんな知っているけど、どこにあるか考えてもみたこともなかった文書。それ、だいたい国立公文書館に保管されています!

例えば、日本国憲法。憲法改正について賛否を論じることはあっても、原本がどこにあるかなんて思いをめぐらしたことのある人は、そう多くはないのではないのでしょうか。

それから、記憶に新しい「令和」の文字。日本国民全員がテレビにかじりついて注目したあの文字も、ここに保管されています。

国立公文書館について、紹介します。

国立公文書館の概要

国立公文書館には、明治から現代までの公文書が保管されています。

一般人が通常立ち入れる場所としては、展示室と閲覧室があります。展示室には、冒頭でもご紹介したような超有名文書が展示されています。閲覧室は、特定の文書を閲覧したい場合、申請して閲覧できる場所です。

観光目的であれば、展示室を見学することになります。

常設展示室の見どころ

常設展示室には、合計24点の超有名どころの文書の複製が展示されています。ここで本当に残念なのが、全部”複製”なんです。ものによっては、コピーしたことが丸わかりの文書もあり、せっかく公文書館まで来てみるものとしては残念な仕上がりのものもあります。

展示数も少なく説明もわずかで、アメリカの国立公文書館と比べると、展示力の差は歴然です。

それでも、無料で貴重な資料を閲覧することができるので、一度訪問することはオススメです。

国立公文書館(National Archives)


大日本帝国憲法と日本国憲法

帝国憲法

1889年(明治22年)に発布された大日本帝国憲法と、終戦後1946年(昭和21年)に公布された日本国憲法が展示されています。
原稿用紙のようなものに手書きで記されていることに、その時代を感じます。写真の大日本帝国憲法には、内閣総理大臣黒田清隆、その後ろにそうそうたる面々の署名が続いているのがわかります。

下関条約とポーツマス条約

条約

社会の教科書でも習った日清・日露戦争の講和条約の全権、”下関条約の陸奥宗光”、”ポーツマス条約の小村寿太郎”の名前が文書内に見つけられます。

条約なのに日本語で書かれていることに疑問を感じましたが、ここで展示されているのは外交文書ではなく、外交上必要な国内手続き資料のようです。

二・二六事件

戒厳令

1936年(昭和11年)、陸軍青年将校らに政府要人が襲われ、高橋是清蔵相や斎藤実内相などが暗殺された二・二六事件。この対応で公布された厳戒令の閣議書だそうです。

髙橋是清が暗殺されたので、写真右側にある各大臣の花押の中で、蔵相の欄が空欄になっています。

この花押、いったいどれがだれなんだかさっぱりわかりません。公文書館のお土産コーナーに、明治・大正の歴代首相の花押のクリアファイルが売っているので、比べてみると面白いかも。

花押

宣戦の詔書と終戦の詔書

終戦の詔書

写真は終戦の詔書で、昭和20年8月15日正午、天皇陛下の肉声でラジオから流れた「玉音放送」の原文です。あの有名なフレーズ「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び」は、写真に映っている原稿の2枚目の左側に出てきています。

元号『平成』と『令和』の書

令和の書

この書を持った歴代官房長官を”○○おじさん”と言わしめる、元号の書。

平成31年4月1日、当時安倍政権の菅義偉官房長官が掲げて公表した『令和』の書が、現在の国立公文書館の目玉展示になっています。

『令和』の発表前後には、31年前の昭和64年1月7日の小渕恵三官房長官(当時)の映像が何度もテレビで流され、『平成』が発表されたときのことを懐かしく思い出した人も多かったのではないでしょうか。

『平成』、『令和』の2つの文字を、当時の写真と共に目の前でじっくり堪能できます。

国立公文書館の基本情報

観光基本情報

開館時間: 9:15~17:00
所要時間: 30分程度
入館料: 無料
休館日: 日曜日、月曜日
所在地: 〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2
公共交通機関: 東京メトロ東西線 竹橋駅 徒歩4分
公式HP: 国立公文書館

(2022/3現在)

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