お花見・紅葉狩りだけじゃない、歴史好きにもたまらない小石川植物園

文京区小石川に広がる161,588m2(東京ドーム3.5個分!)の面積を誇る小石川植物園。本郷にある東京大学の教育実習施設ですが、一般公開されています。

植物園という名前から、植物観賞しながらのんびりしたい人しか楽しめないかと思いきや、実は歴史を刻んだ場所でもあり、意外に歴史好きの人の心もくすぐる守備範囲の広い植物園です。

小石川植物園の概要

小石川植物園は日本で最も古い植物園で江戸時代に造られ、当時は徳川幕府の持ち物でした。当時の名前は「小石川御薬園」。

実はここ、犬公方として知られる5代将軍徳川綱吉が幼い頃に住んでいた”白山御殿”と呼ばれる場所なんです。そして、綱吉が将軍になったとき、この地の一角に薬園を作りました。その頃はもっと小さかったようですが、8代将軍徳川吉宗の時に拡張され、ほぼ今の植物園の形になりました

明治に入って東京大学の敷地となり、「大学病院付属御薬園」となって一般公開もされるようになったそうです。

小石川植物園の見どころ

小石川植物園の見どころは、一番は何と言っても四季折々の植物の美しさです。梅、桜、ツツジ、イチョウ、椿、、、と、どの季節に行っても楽しむことができます。そうはいってもやはり、春と秋が特にオススメです。

その他、ニュートンのリンゴの木、メンデルのブドウの木、青木昆陽のサツマイモ栽培の地もご紹介します。


春の植物園

春は、梅や桜を見に来る人々でにぎわっています。

sakura

秋の植物園

イチョウやもみじで美しい紅葉が見られます。

icho

この大きなイチョウの木は、精子が発見されたイチョウの木としてとても有名なようで、説明看板も建っています。(どれくらいすごいことなのか、わかりませんが・・。)

開花・紅葉状況

小石川植物園の公式サイト『開花・紅葉状況』からは、花や紅葉の様子のリアルタイム写真がアップされています。

こちらをチェックして訪問すると、ちょうど見ごろに訪れることができそうです。

ニュートンのリンゴの木

小石川植物園には、万有引力を発見したニュートンのリンゴの木も生えています。ニュートンが、家の庭に生えているリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て、『万有引力』という発想を思いついたという逸話の木です。

そんな貴重な木がなぜ日本に???

実は、ニュートンのリンゴの木は、接ぎ木接ぎ木でどんどん子孫を増やし、世界各国に分譲されているそうです。

日本には、1964年にニュートンのリンゴの木がやってきました。しかしこの時、その木はリンゴ特有の病気にかかって(ウィルスに感染して)いたため、本来はそのまま焼却処分されることとなってしまいました。ただ、この特別な貴重な木を焼却処分してしまうのは惜しいということで、小石川植物園が預かって隔離栽培することとなったそうです。

その後、植物園はウィルス除去に成功したので隔離を解かれ、一般公開されたのは輸入から15年以上経った1981年になってからでした。

この小石川植物園のニュートンのリンゴの木が、さらに穂木で日本各地に分譲され、今では日本のいろんなところでニュートンのリンゴの木が育てられています。

メンデルのブドウ

分離の法則、独立の法則、優性の法則。この遺伝の三大法則である『メンデルの法則』を発見したメンデルが、研究のために栽培していたブドウの木も生えています。

このブドウの木も、ニュートンのリンゴの木と同様、分譲してもらった株です。

メンデルはオーストラリア人ですが、チェコの修道院に在職していた頃実験用に栽培していたブドウの木を、1913年に分譲してもらい、小石川植物園に植えられたようです。その後、ここから日本各地に更なる分譲が行われています。

青木昆陽のサツマイモ栽培の地

社会の教科書で出てくる江戸時代の蘭学者”青木昆陽”が、さつまいもの栽培をした地が、ここ小石川植物園です。

青木昆陽とは?

青木昆陽は江戸時代中期に、日本橋の魚屋に生まれましたが、学問が好きで励んでいたところ、あのテレビドラマでお馴染みの町奉行”大岡越前”に重用されることとなりました。

そして、さつまいもが人々を飢えから救う作物になるということに注目して、簡単にたくさん取れる栽培方法などを研究しました。

その頃、日本は江戸三大飢饉のひとつ”享保の大飢饉(1732~33)”に見舞われていました。その対応に腐心していた8代将軍徳川吉宗は、青木昆陽にサツマイモの試作栽培を命じました。その試作地として選ばれたのが、この小石川植物園(当時の『小石川の養生所』)です。

青木昆陽はさつまいもの栽培に成功して広く日本に普及させ、その後の天明や天保の大飢饉でも多くの人を救いました。

現在、ここには記念碑が建てられています。

小石川植物園の楽しみ方

小石川植物園には、座ってお花見や紅葉狩りを楽しむ芝生スペースがあります。そこでは、たくさんの人がビニールシートを敷いてお弁当を広げています。

園内には小さな売店があるほか、時には屋台が出ていることもあります。ただ、屋台は常にいるわけではないので、お弁当は持参した方が無難です。

小石川植物園の出入口から徒歩数分のところに、すごくおいしいパン屋さんがあります。手作り弁当もいいですが、用意する時間がない場合は、ここのパン屋さんのツナサンドが大変オススメです!ぜひパン屋さんによってから入園して、ランチをしながらお花見してはいかがでしょうか。

パン屋さん:BOUQUETIN(ブクタン)

小石川植物園の基本情報

観光基本情報

開園時間: 9:00~16:30(入園は16:00まで)
入園料: 大人(高校生以上) 500円、小・中学生 150円
休園日: 12月29日~1月3日
所在地: 〒112-0001 東京都文京区白山3-7-1
公共交通機関: 都営地下鉄三田線 白山駅 徒歩10分、東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅 徒歩15分
公式HP: 小石川植物園

(2022/3現在)

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