戦後政治の舞台となった”音羽御殿”(鳩山会館)は、一般公開されていて面白い

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第52代内閣総理大臣鳩山一郎の旧邸宅、通称”音羽御殿”が、文京区音羽の高台に建っています。

通りに面している門からは中の様子はうかがえず、門から入って50-100メートルくらい坂道を登っていくと、ようやく洋館が現れます。

現在の”鳩山会館”というネーミングや、中の様子は全く見えないその外観から、近づきがたい印象をもっていましたが、いざ訪問してみると予想以上に興味深い場所でした。

歴史や政治の舞台が好きな方にはたまらないスポットです。中に入ってきたので、様子をご紹介します。

音羽御殿(鳩山会館)の概要

この鳩山会館は、鳩山一郎の住まいとして大正13年に建てられました。昭和29年12月、鳩山一郎は第52代内閣総理大臣に就任し、ここにはたくさんの大物政治家が集まり、歴史的・政治的決断がこの場所でなされてきました。

建物は修復を経て、平成8年に一般公開されるようになりました。一部修復により間取りが変わっているところもありますが、当時鳩山一郎が使っていた椅子や食器なども保存されています。

貴重なものの割にはソファーに座ったりすることも可能で、写真を撮ると上流階級の仲間入りしたような感覚にも?

ドラマの撮影場所にもよく使われており、2014年NHKの連続テレビ小説「花子とアン」では、”葉山伯爵邸”として登場しています!

東京都公式サイト:東京ロケーションボックス

音羽御殿(鳩山会館)の見どころ


第一応接室

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玄関から入ると右手に、まずは第一応接室が広がります。そこで、まずは現館長である第93代内閣総理大臣鳩山由紀夫のビデオメッセージが流れています。

ありがたーい挨拶ということではなく、鳩山家の歴史や建物の説明などで、30分弱?くらいのビデオになっています。

見なくても見学中に説明看板等に書かれていることも多い内容ですが、最初に見た方がより面白く館内を回れます。サクッとみられますし、混んでいなければ来客に合わせて頭出しして上映してくれるので、時間があれば見るのがおすすめ!

この部屋と、次に続く第2応接室、食堂、サンルームは、360℃回る蝶番を使った折り畳み式扉で仕切られており、時にその4部屋をつなげて一つの大部屋として人を集めて使用したりもしたそうです。

第2応接室

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ここが一番の見どころではないかと思います。鳩山一郎が愛用していた部屋で、首相時代、ここが重要な政治の舞台になったようです。

部屋には、当時と同じように鳩山一郎愛用の椅子が置いてあります(奥の白い大きな椅子)。この愛用の椅子だけは座ることができませんが、その周りのソファーに腰かけて、鳩山一郎と議論を交わした政治家のような気持ちになれます(!?)

食堂

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鳩山一郎が食事をしていた場所で、夫人が愛用していた食器類も展示されています。

その食堂のテーブルに腰かけて、隣のサンルームの自販機で購入したドリンクは飲んでよいことになっています。食事こそできないものの、ここでも若干当時の気分を味わえる(?)工夫があります。

サンルーム

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広い庭が目の前に広がるサンルーム。そこには、こんな写真が置いてあります。

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左下の説明には、こんなことが書いてあります。

吉田茂氏(総理大臣)突然来訪
昭和28年11月17日、吉田総理大臣が突然鳩山邸を訪問し、鳩山一郎の自由党復帰を懇請した。気さくな雰囲気のサンルームで。

この写真の椅子のひじ掛けや背もたれの高さなどから、現在もサンルームに置いてある椅子と同じに見えます!いくつかある椅子のどれかに、吉田茂が座ったのでしょう!

ステンドグラス

この建物の一つの特徴が、ステンドグラスです。このステンドグラス見たさに、この洋館を訪れる人も少なくないはず。

当時渡米してティファニーでステンドグラスを学んできた日本人”小川三知”という人によって作られ、各部屋それぞれのモチーフのステンドグラスが窓ガラスにはめ込まれています。

特に注目したいのは、こちらの2点。

鳩のステンドグラス

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この建物には、随所に鳩のモチーフが表されています。その一つが、玄関上のステンドグラス。日が差すとガラスの色の変化も楽しめるそうです。

家の顔である玄関は、やはり鳩でお出迎えです。

法隆寺五重塔のステンドグラス

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この建物のステンドグラスは、どれも比較的上の方にあるので気づきにくいですが、このステンドグラスは、この建物で唯一、その場所の主役となっているように思います。

深紅のじゅうたんの敷かれた階段の真ん中に、大きな日本的なステンドグラスが美しく、思わず写真を撮りたくなります。法隆寺五重塔を表現しており、赤い部分は二重構造になっていて立体的に見える仕組みになっているそうです。

一郎記念室

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当時の一郎の書斎だった場所です。今は、一郎記念室として、首相時代等の貴重な品や写真が展示されています。

部屋の扉は、戦前の5・15事件や2・26事件を反映して、鉄製になっているそうです。ほんの数十年遡るだけで首相や要人が暗殺される時代でしたから、時代の背景を感じます。

鳩山内閣発足時の首脳会議

昭和29年11月、吉田茂総理大臣退陣に伴い、鳩山政権発足にあたっては、この部屋で首脳会議を行ったそうです。記念室には、その時の写真が展示されており、歴代首相らが名を連ねています。

ソ連フルシチョフ第一書記が振り回したペーパーナイフ

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ここの展示の中でも、すごく貴重な一品かと思います。日ソ交渉の最中に、フルシチョフが振り回し、危険だからと河野一郎農林大臣が持ち帰ったペーパーナイフ。

庭園

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サンルームから外に出ると、広大な庭が広がっています。池には巨大な鯉が泳いでおり、その横には鳩の群れが遊んでいるような像があります。

特にバラがきれいな庭園のようですが、訪問した季節が悪く、この時は何も咲いていない寂しい庭園でした。春の桜、秋のもみじなど、四季折々の庭木が楽しめるそうです。

時期を変えて、再訪したいと思います。

鳩山一郎の像も建っていました。

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音羽御殿(鳩山会館)の基本情報

観光基本情報

開館時間: 10:00~16:00
入館料: 大人 600円、65歳以上 500円、障害者・学生 400円、小・中学生 300円
休館日: 月曜日(祝日は開館)、1・2・8月は長期休館
所在地: 〒112-0013 東京都文京区音羽1-7-1
公共交通機関: 東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅 徒歩7分、護国寺駅 徒歩9分
公式HP: 鳩山会館

(2022/3現在)

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